2011年7月アーカイブ

うつ病の治療について

今回はうつ病になったらどうすればいいのか、治療を含めてお話しいたします。
うつ病は血液検査など数値がわかる検査では計ることができないものです。また、気がたるんでいる、励ませばなんとかなるといった精神論では解決しません。
ご本人や家族がうつ病が病気であることを理解し受け入れることが肝心です。そして、「無理をせずに休むこと、治療を受けること、回復を待つ余裕を持つ」ことが必要です。
現時点では、医療機関にかかり、きちんとした治療を受けることが早めの回復につながります。薬物療法以外の方法もありますが、時間がかかることが多いこと、行っている医療機関が少ないことなどから、現時点では副作用の少ない新しいタイプの抗うつ剤の治療が薦められます。

1)治療を受ける前に気をつけること
a.まずは休養が一番肝心です
働きながら治すことは負担が大きい上に、悪化させることもあります。また、事故とか怪我を起こしてしまうという心配もあります。
薬が効き始めるのには3~4週間くらい必要ですが、全体に概ねよくなる期間は標準的には3ヶ月くらいのの療養が必要です。この期間に、これまでの無理をしてきた生活スタイルを見直す工夫をするとよいでしょう。薬だけでうつの気分を治したとしても生活スタイルを見直さなければ、再発を繰り返すことが多くなると思います。

b.病気であるということをちゃんと理解しましょう
気がたるんでいるのだとかの問題ではなく、病気であるから治療が必要という認識がちゃんと持てるかどうかが肝心です。

c.きちんと休養をとり、治療を受ければ治る病気あることを理解しましょう
職場復帰も十分に可能な病気です。しかし、しっかり休養をとることと、医師の指示通りに治療を受けないと、長引いたり、治りにくくなることもあります。うつ病になると何だか自分の病気は治らない病だというように感じてしまいますが、きちんと治療を受けることでその時はおかしなことを考えていたのだと言うことがあとになってわかります。

d.大きな決断はしないようにしましょう
うつ病の時のかすんでしまった頭ではちゃんとした判断ができません。退職、転職、離婚、転居などの重要な判断は先送りにして、うつ病が治ってからにしましょう。

e.自殺や自傷、自己破壊的な行為は行ってはいけません
そのときはそうせざるを得ないように感じてしまいますが、うつ病が治ったら、どうしてあのときは、変なことを考えたのだろうと振り返ることがほとんどです。うつ病になった多くの方が、自殺を考えます。しかし、それはうつ病という病気がそう思わせているのであって、うつ病から回復さえすれば、そういう思いもなくなります。

2)治療において大切なこと
a.症状が軽くても治療が必要な状態であって、決して「気のゆるみ」や「怠け」ではないことを本人のみならず、家族や職場の人間に理解して頂きます。
b.できるだけ早い時期に心理的休息をとるようすすめます→家族・職場にも
c.回復は一進一退であることを理解していただき、一喜一憂しないよう伝えます。
普通、病気は骨折が治るように直線的に治癒に向かうと考えがちですが、精神疾患に関しては、少しよくなったり悪くなったりを繰り返しながら、全体的によくなっていきます。
f.服薬の重要性を理解していただき、勝手に中止したり減量したりしないようにして下さい。また、副作用については少なくなってきているものの、眠気がしたり、胃腸の具合が悪くなるなどのこともあり、事前に知っておくと安心できることが多いです。薬の飲み始めに多く出てきますが、自然に胃腸症状などは少なくなってくることも多いです。

3)治り始めると
a.ちょっとしたポジティブな変化が現れます。
表情がやわらぐ 少し眠りが深くなった 食欲が出てきた というような実感がでてきます。
b.最初はわずかな変化であり、本人や家族も気がつかないことも多いです。
c.まずは、食欲不振、睡眠障害、不安やいらいらという周辺症状の改善から、その後、抑うつ気分、意欲の低下などの精神症状が改善することが多いです。 
d.症状の改善の順番は不安やいらいらの軽減→憂うつ感の改善→おっくう感の改善の順番が多いです。

(これらのことは、一般的な症状や兆候に基づいて記載しております。

個別のケース、詳細は医師にご相談下さいませ)

 

次回は 9月上旬 up します。