認知症の中核症状と周辺症状

 認知症の症状には知的能力の低下が直接現れる中心となる症状、つまり「中核症状」とそれに伴って出現する「周辺症状」があります。

症状を的確に判断し対応することが必要ですが、それぞれ治療や対応の方法が異なってきます。

 主な中核症状といたしまして、記憶力の障害、いつ・どこか・相手が誰かが分からなくなる見当識の障害、判断力の低下があります。

記憶に関しましては、近時記憶という数分前から数日前の記憶が障害されやすいのが認知症の特徴です。

見当識の障害は認知症では今日がいつであるのかという時間の見当識、ここがどこであるのかという場所の見当識、

それから相手が誰であるのかという人の見当識の順番で障害されていきます。

時間の見当識は、毎日毎日更新しなければならないために、一番最初に障害されます。

認知症の検査の中に「今日がいつであるのか」という問題が入っているのはこれを調べるためです。

これらは認知症で現れてくる症状ですが、体の病気や疲労などの体調不良、飲酒などによって一時的に出現することも

ありますから、専門家の診察が必要となる場合があります。

これらの中核症状の元となる脳の神経細胞の変化は元に戻らないものですから、認知症の進行で失った機能を元に

もどしたり、進行を完全に止めることは困難です。ですから、早目に認知症を見つけ、薬物療法や生活習慣の改善、

心理ケアを行うことで進行を遅らせることが可能な場合があります。

ご家族にとりましても初期の段階であれば、常に介護に追われるということはありませんので、医療機関で相談したり、

介護保険の利用など様々なサービスについて情報を集めたり、正しい認識を持つことなど時間的な余裕をもって対応する

ことができます。

 

 もうひとつ「周辺症状」と呼ばれている症状ですが、これは個人によってかなり現れ方に差があります。

また、介護をする上で中核症状よりも周辺症状の方がより負担がかかることがあります。

睡眠障害、幻覚、妄想、意識に曇りが生じそれに異常行動などが伴うせん妄、徘徊、粗暴行為、食行動の異常、

不潔行為などがあります。

近親者にとってはとてもひどい症状のように感じショックを受けますが、周辺症状の場合、中核症状と異なり薬物療法や

心理ケア、介護の工夫により改善される場合が多いといえます。

 

(これらのことは、一般的な症状や兆候に基づいて記載しております。

個別のケース、詳細は医師にご相談下さいませ)

 

次回は 3月上旬 up します