2012年11月アーカイブ

認知症の薬物療法1

認知症の薬物療法1

従来、認知症は薬物療法では効果がないとされていました。脳循環代謝改善薬があり

ましたが、臨床的に効果が充分に得られませんでした。また、認知症に伴うせん妄、

攻撃的行動、徘徊などの問題行動が適応になっていたのは塩酸チアプリド

(商品名:グラマリール、ジェネリックもあります)ですが、これも充分な効果が

あったとは言えませんでした。


その中で、アルツハイマー型認知症の進行を遅らせる薬として、1999年11月に

塩酸ドネペジル(商品名:アリセプト、ジェネリックもあります)が登場しました。

次ぎに抗認知症薬が登場するのは2011年ですから、12年ほどの間、1剤で治療が

行われたわけです。これは、脳の中のアセチルコリンという記憶に関連した物質を

分解する作用のあるコリンエステラーゼの阻害剤です。しかし、認知症の特効薬と

いうイメージは少なく、また全ての認知症の方に効果が得られるというものでは

ありませんが、前述した脳循環代謝改善薬や塩酸チアプリドに比して、臨床上では

かなりの手応えがありました。剤形も錠剤の他に、水の要らないOD錠やゼリータイプ

のものもあり、高齢者への配慮があります。また2007年には高度アルツハイマー型

認知症の適応を取り、軽度から高度の全ての状況での適応を得ました。とは言っても、

臨床で一番効果を得やすいのは軽度のアルツハイマー型認知症だと思います。

認知症においても早期発見早期治療が効果が得やすいのは他の病気と同様です。

認知症の場合、軽度のときは家族が気にはしていても受診にはつながらず、中度以上に

なって困り果てて受診すると言うことが多い傾向があります。そのような状態に

なってからは、薬物療法でもコントロールがしにくくなります。早めの受診が

QOLを保つためには是非とも必要なことだと言えます。